大学は何をするところか?|勉強と研究の違い、大学の使命を解説
- Akagi Lab

- 2024年7月14日
- 読了時間: 4分
更新日:1月11日
【この記事で分かること】
✅ 大学の3つの使命(教育・研究・社会貢献)
✅ 「勉強」と「研究」の決定的な違い
✅ 大学で何をすべきか
✅ 社会に出てからも使える思考法
【執筆者】赤木紀之
福岡工業大学工学部生命環境化学科教授
専門:幹細胞生物学、STAT3、C/EBP
大学生と面談する際、私は「大学は何をするところだと思いますか?」と質問するようにしています。すると多くの大学生が「勉強するところ」と回答します。
この答えは間違いないのですが、漠然とした回答です。小学校以来、ずっと勉強してきたわけです。一体これ以上、何を勉強するのでしょうか。
1. 大学の使命
冒頭の質問は、実は「大学の使命はなにか」という趣旨の質問でした。大学の使命は「教育」と「研究」です。その上で大学には「社会貢献」が求められます。
従って、大学教員は研究を通して教育を実践し、出張講義や啓発活動、研究成果の発信などを通して社会とのつながりを形成します。
このような背景のもと、大学生は大学で何をしたら良いのでしょうか?
2. 大学生の「社会貢献」
大学生の社会貢献活動は、「被災地支援」や「環境保護活動」だけではありません。運動が得意な人は、地元スポーツチームの指導補助、音楽が得意な人は、病院等でのミニコンサートなどが思いつきます。こういったニーズは意外に多く、自分の得意分野を社会に役立てることができます。
3. 大学生の「研究」
大学生もどこかのタイミングで「研究」に携わる必要があります。「卒業研究」がそれに該当します。一般にいう「文系」「理系」は単に自分の「興味対象」や「親和性」の違い程度のことで、根底にある「研究」という視点は同じであると思います。では「研究」と「勉強」の違いはなんでしょうか。
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4. 「勉強する」とは「しくみを知る」こと
「勉強する」とは、「しくみを知る」ことだと私は思います。「経済のしくみ」「文化のしくみ」「体のしくみ」「自然のしくみ」など、様々な「しくみ」があります。
「しくみ」を理解するには、どうしても基礎的な知識が必要です。基礎的な知識は、中学高校あるいは大学の一般教養科目で学ぶことができます。中・高・大の座学では、効率よく基礎を学ぶことができます。
どうしても「暗記すること」が「勉強すること」だと思いがちです。確かに暗記も大切なのですが、一対一対応で語句だけ暗記しても、それを理解していないと意味がありません。今の時代、単に語句だけであれば、スマホなどですぐに調べられます。暗記ではなく、理解をして、しくみを知ることが勉強です。
例えば「体のしくみ」を学ぶとき:
- 高校生物:「細胞は分裂する」と暗記
- 大学での学び:「なぜ細胞は分裂するのか?どんな仕組みで?」を理解
- 研究:「がん細胞はなぜ無限に分裂するのか?その原因は?」を解明
これが「勉強」から「研究」への進化です。
5. 大学は何をするところか
「しくみ」を理解すると、未解決の「問題」がいろいろ見えてきます。そういった「問題」には必ず「原因」があります。その「原因」を解明し、解決すること。これが「研究」であり、この研究こそが大学でやるべきことだと私は考えています。こういった研究を通して「高度な専門教育」を達成することができます。
しかもこの一連の流れ(「勉強する」→「仕組みを知る」→「問題を見つける」→「原因を探る」→「解決する」)は、社会に出ようが、家庭を守ろうが、必ず役に立つ手法です。自分の人生を豊かにするための強力な武器になります。
大学時代は自分との親和性の高い分野の「研究」を通して「問題の解決策の探求」の訓練をし、そこで体得した発想方法や思考方法を、社会に出た時に応用すれば良いのではないでしょうか。
6. 高校生・受験生の皆様へメッセージ
「研究って難しそう...」と思った高校生へ。 実は、皆さんは既に研究の第一歩を始めています。 例えば:
・なぜ歴史の授業で戦争が起きたのか、理由を考える
・数学の公式がなぜ成り立つのか、証明を理解する
・部活で「なぜ勝てないのか」を分析し、練習方法を変える
これらすべて「問題を見つけ、原因を探り、解決する」思考法です。 大学では、この思考法を もっと深く、もっと専門的に、 そして「世界で誰も解決していない問題」に対して 使えるようになります。 だから、今のうちから 「なぜ?」と問う習慣を大切にしてください。 それが大学での研究、 そして社会に出てからの問題解決力につながります。
こちらのブログとは別に「高校生・受験生の皆様へメッセージ」を掲載しています。そちらでも関連する情報を発信しています。ぜひ、ご覧ください。
大学は何をするところか。みなさんはどうお考えでしょうか。



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