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  • 執筆者の写真Akagi Lab

私の記念受験

高校時代、私の大学受験は全滅でした。そのため私は1年間の浪人生活を過ごしました。

そして1年の浪人生活の末に迎えた大学受験。国立大学の後期日程は「記念受験にしよう」と思い立ちました。

修学旅行で訪れたある地域がとても素晴らしかったので、その地にある国立大学を記念受験先としました。記念受験でしたので、結果はもちろん不合格でした。

しかしその記念受験は、今でも記憶に残る素晴らしい記念受験となりました。

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全ての試験が終わり、答案用紙が回収され、係の人が試験場本部へと運んで行きました。私たち受験生は、OKが出るまで教室を出ることができません。

しかし一向に担当者は戻ってきません。恐らく何かトラブルがあって、受験生を教室に待機させておく必要があったのだと思います。

教室には私たち受験生の他に、試験監督の先生が一人だけいました。50代後半から60代のベテランクラスの先生でした。

あまりに待たされるので、その試験監督の先生が雑談を始めてくれました。

「この教室の受験生は、生命系への進学を希望する受験生ですか?そうですか。私はバイオ系の教員ではありませんが、これからはバイオの時代だと思っています。19世紀は物理学が大きく発展し物理学の時代でした。その後、20世紀は化学が発達し化学の時代でした。そして皆さんが生きる21世紀は間違いなくバイオの時代になるでしょう。みなさんは良い選択をしています。是非、頑張ってください。」

といった内容を話してくれました。

このたった数分の受験先の国立大学の先生による“講義”でしたが、当時10代だった私にはとても印象的でした。「この先生は本当にサイエンスが好きなんだな。こういう先生の講義を受けたいな」と感じました。

この先生は19世紀から21世紀にかけての学問体系を、物理-化学-生物の積み重ねとして紹介してくれたのです。この話を聞けただけでも、本当に大きな収穫のある記念受験でした。

30年近く前のエピソードですが、私は今でも覚えています。機会を見つけ、自分の学生や高校生にもお話しています。

自分の学生でもない、入学すら決まっていない学生に、貴重な話をして頂いたことを今でも感謝しています。



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