Akagi Lab
SNSのすゝめ
■使ってますか?SNS。
私が大学生の頃は、ようやく1人1台携帯電話(スマホではなく、いわゆるガラパゴス携帯)が行き渡った時代です。解像度の低いカメラでの写真撮影やショートメッセージの交換程度がなんとかできる時代でした。パソコンのインターネット回線速度は非常に遅く、接続も読み込みも、とても時間がかかりました。それでもなんとか掲示板やチャット、日記(ブログ)などはあった気がします。
今ではほとんどの人がスマホをも持ち、いつでも手軽に素早くインターネットに接続できます。本当に便利な時代になりました。これにより情報収集や情報発信のカタチが大きく変わりました。特にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の出現により、コミュニケーションのあり方が大きく変わりました。
さて、みなさんはどの程度SNSを活用されているでしょうか?Instagramに始まり、Line、Twitter、TikTok、YouTube。人によってはFacebookやLinkedInなども利用しているでしょうか。
もしかすると中学生・高校生は、学校の先生から「実名でSNSをしてはいけない」「必ずロックをかけて、知らない人とはつながっていけない」と言われているかもしれません。もちろんそれは正しい指導です。そういう指示を受けている方は、学校の先生の指示に従って下さい。
実は私は、大学生の皆さんにSNSを活用することを強くお勧めしています。このブログでは、ネットリテラシーを修得している方に読んで頂ければと思います。
■SNSを活用するとは?
繰り返しになりますが、大学生こそ積極的にSNSで情報発信すべきと考えています。ただ、私が思う「SNSを介した情報発信」と、大学生が考えるそれとでは、少し方向性が違うかもしれません。
SNSを活用する - この「活用する」というのがポイントです。私が考える「活用」とは、「実名で世間に向けて情報発信する」という意味合いです。
Instagramでインスタ映えする風景や料理を「友人知人に限定して日々の様子をシェアする」ことだけが情報発信ではありません。私が大切だと思うのは、noteやTwitter、個人のブログなどで自分の考えを言語化し発信することで、自分の存在を世間に示すという点です。
■思考の言語化の機会はたくさんある
皆さん作文は得意ですか?「作文なんて、中学校の読書感想文以来ほとんどやっていないので、得意とは言えない」と思う人が結構いるのではないでしょうか。でも我々は普段の生活の中でも、かなりの頻度で作文する場面に遭遇します。
一番身近な場面が、Lineやメールでのやり取りだと思います。こういった文章でのやり取りは、思わぬ誤解や互いの認識のズレを生み出すことがあります。読み手の立場に立って、こちらの意図を分かりやすく端的に伝えるのは、思った以上に高度なスキルを要します。
大学生にとって最初の難関はレポート作成でしょうか。レポートの記載内容が日本語として成立しておらず、明らかにおかしなレポートはやり直しを命じられることもあるでしょう。期末試験の論述問題などは、特に丁寧な説明が必要です。社会人になれば報告書や事業企画書など、より高度で重要な文章を作文することもあるでしょう。
自分が得た知見や経験、考えているアイディアや発想を上手に言語化し、説得力のある日本語を作文するには、日々の言語化の訓練が必須です。
■SNSを利用した言語化の訓練
実はSNSを利用した情報発信こそ、思考の言語化の素晴らしい訓練になると考えています。
例えばTwitterでの情報発信。Twitterは140字しか入力できません。自分の伝えたいことをたった140字でどうやってまとめるか?やってみると分かりますが、これが凄く難しい。余計な言葉を除き、最善の単語を選び、言い回しを使い分ける。改めてTwitterで発信されている方々の文章を読むと「この短文で、ここまで情報を入れられるのか」と感心させられることがしばしばあります。
日ごろから140字で文章を考える訓練をしておくと、色々なところで役に立ちます。まず、文字数を減らすために、別の言い回しを探すことで語彙力が増えます。これにより報告書やメールを作文する時も、短く分かりやすい文章が自然と書けるようになります。1-2分の自己紹介などでも、端的で情報量豊富な挨拶ができるようになります。
当然これは、普段から”意識して”Twitterの文章を作文しなくては訓練になりません。全てのTweetを訓練に充てる必要はありませんが、何回かに1回は洗練された短い文章を発信する癖を付けると良いでしょう。
もう少し長い文章を書く訓練をしたければ、note、Facebook、LinkedInなどがお勧めです。何か一つ自分でテーマを決めて、推敲に推敲を重ね文章を完成させてみてください。まずは1回書いて、1週間後に読み直してみて下さい。色々おかしな点が見えてくると思います。自分で自分の文章を添削するのも、とても効果的な訓練だと思います。
■そして世間に発信する
そしてなにより、実名で世間に情報発信するという点がポイントです。誰が見ているか分からないからこそ、適度な緊張感をもちながら言葉を発することができます。また、普段から自分の意見を世間に発信しておくことで、SNSの世界で自分の存在をアピールできます。
大学生は就職活動の過程で履歴書を作成すると思います。履歴書には書ききれない自分の熱い想いを、実名でSNS上に残しておけば、もしかすると採用担当者の方がそれを見つけてくれるかもしれません。
今や個人が活躍する時代です。「自分が何を考え、何を実現させたいか。それを実現させるために、自分は何をしているか。」こういった情報をSNSで発信することで、自分の存在を世の中に示すことができます。
■SNSのすゝめ
いかがでしたか?SNSを「思考の言語化の訓練ツール」と位置づけ、「自分の存在を世間にアピールする」という意識で活用してみてはどうでしょうか?
例えば「自分が人生で成し遂げたいこと」というお題で、少し長めの文章を作成してみてはいかがでしょうか?とても難しいお題ですが、一度言語化しておけば、それが自分の軸となり様々な場面で役に立つと思います。
みなさんのSNSでの情報発信を楽しみにしています。
